BLOG版ウチの失語くん

メッセージに返信(入院中のこと)

Posted on 2013年1月7日

ちょっと遡って初期の話を忘れないうちに。

倒れて1カ月後、リハビリ病院に転院して1週間後に
facebookに写真をアップできるようになり
オットの世界が広がった、ということまでは書きました
が、その後
ちょっと困ったことが起こりました。

facebookに写真を載せると「いいね!」やコメントがつく。
それは有難いのですが、
当時はまだ、あまり病気のことをお知らせしていなかったので
事情をご存知ない方から
「これ、どこで撮ったんですか?」
という調子で、普通にコメントやメッセージがくるようになり。

最初のうちは、それぞれの方に私から
「実はこれこれしかじかで、オットがお返事できないので代わりに…」
とメッセージを送っていたのですよ。
これなら問題ない。
ところがですね、しばらくすると
オットが自分で返事を出し始めたのです。

読めないのに。
書けないのに。

たぶんその頃は、本人もまだ
自分に何ができて、何ができないのかを
きちんと把握できていなかったのだと思います。
いや、もしかすると
読めない書けないという事実を
受け入れられなかったのかもしれない。

いずれにしてもですね
返事が出せると思ってしまった。

メッセージ欄の「返信する」というところに何か書いて
「返信」をクリックすればいいんでしょう、と。

そこまでは、わかりました。
そこまでは、できました。
できたところで
急に不安になるわけです。
どうやら、イケナイことをしてしまったようだ、と。

面会に行くと、私に自分のスマホを押しつけて
「何か送っちゃったよ〜」と困った顔をして訴える。
へ? 何を?
開いてみると、意味不明な言葉を送信した形跡が。
いや、正確には「意味不明」ではなく
「意味のある単語」が脈絡なく並んでいるメッセージでした。
どうやらオットは
適当に一文字打って、最初にでてきた「予測変換」を選ぶ
という方法で、メッセージを構成していたようです。

ああもう。

すぐさま相手の方に
「申し訳ありません!妙なメッセージが届いたと思いますが……」と
事情を知らせること、数回。

いい加減、オットも懲りたらしく
しばらくすると「自分で返信」癖はピタリと止まりました。

あ、その前に。

妙なメッセージを送ってしまった方は
その後、私が事情を知らせると
「なるほど、変だと思いました」とお返事をくださったのですが
ただひとり
「そうなんですか? 全然変だと思いませんでしたよ」
という方がいました。
そのときオットが送ったメールは、これ↓

「会釈いただけると送りますでしょう。基本的な?送ります他に?」

へんでしょう。
どう考えてもへんでしょう。

その後、お見舞いにきてくださったその方に
どうしてオカシイと思わなかったんですか、と尋ねると

「詩かと思いました」

 

 

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