BLOG版ウチの失語くん

最初の頃は宇宙人かと(入院中のこと)

Posted on 2012年12月21日

ごく初期の症状を、忘れないうちにメモ。

7月に脳出血で倒れた直後は、体の麻痺もありましたが
それ以上に顕著だったのが、やはり言葉の障害でした。

失語症にもいろいろありますが
ウチのオットの場合は
こちらの言っていることは、ほぼ理解できる。
自分の訴えたいことも、ある。
で、何か言おうとすると

「ゐあkljfだれぽkめあいg」

むりむり表記しようとすると、こんな感じでしたよ。
なんというか、脳の言語変換機能がおかしくなって
しゃべり言葉が「文字化け」してしまったようで。

もうね、宇宙人かと。

でも本人は、大まじめにしゃべっているわけです。
メールを送ったほうは、文字化けに気づいてないのと同じ。
ものすごく語る。ペラペラ話す。
「喉が渇いた」だの「ベッドを上げてくれ」だの
言っているつもり
なんだけど、こちらには
「skぎぇkで」とか「ぉえxdkれ」としか聞こえない。

まあね、寝たきりの病人が言いたいことなんて限られてるんで
表情とか動きで、だいたい推察できたんですが。

で。

その頃、同じ病室の隣のベッドに
何やらワケアリっぽい人が入院してましてね。
毎日、面会時間になると
ダークスーツの人が入れ替わり立ち替わりやってきて
コソコソと低い声で話していくんですよ。
うすーく聞こえてくる内容から想像するに
政治関係? 陰の実力者? の関係者? の使い走り?
よくわからないけど、やけに秘密っぽい。

面会時間以外には
そのワケアリさんとオットの二人っきりなので
どうやらその人
「ワシは面倒なことを抱えているのだ」
ということを
ウチのオットに語っていたようです。

オットに「あの人何者なの?」と尋ねると
得意げに“俺は知ってるぜ”という顔をする。
そしておもむろに、
声をひそめて
「yぢてけkgはっkしゃkげ」

秘密厳守(笑)
ワケアリな方にとっては
これ以上に、いい聞き手はなかったのでないかと。

その後、言語のリハビリの先生のおかげで
宇宙人から地球人に戻れたわけですが
残念ながら、今のオットは
その頃のことをよく覚えていないため
真相はいまだ闇の中であります。

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